
どうも、英語チューターTAKAです。
英語の文章のなかで、主語ってどの部分だかわかりますか??
「文章の一番先頭にある単語が主語でしょ!」と思っているそこのあなた。たしかに間違いではないですが、英語の主語ってそんなに単純なものじゃありません。
そして、英語は主語がとても大事な言語ですので、主語の理解があいまいなまま放っておくのは、あとあと致命傷になりかねます。
そこでこのページでは、そもそも主語とはなんなのか?という話から、英語の主語に関する例外まで、あなたが英語の主語を理解するために必要な情報を、例文盛りだくさんで余すところなく書いていきます。
ところどころとても基本的な内容も出てきますが、特に英語学習を始めたばかりの方は、主語ってなんなのか、イマイチピンと来ていない人も多いはず。
ぜひこの機会に、英語の主語についてイチからしっかりと復習して、自信を持って英語の文を話せる・聞ける状態を目指しましょう。
1.そもそも主語とはなにか?
英語がどう、日本語がどうという話の前に、前提として知っておいてほしいこと。
そもそも、『主語』とはなんでしょうか?
試しにgoogleで検索してみると、
『主語』
文の成分の一。文において、述語の示す動作・作用・属性などの主体を表す部分。「鳥が鳴く」「山が高い」「彼は学生だ」という文で、「何が」に当たる部分をいう。日本語では、主語がなくても文として成立する。
“デジタル大辞泉”
『主語』
文の成分の一。文の中で、「何がどうする」「何がどんなだ」「何が何だ」における「何が」を示す文節をいう。「犬が走る」「空が青い」「花散る」における「犬が」「空が」「花」の類。主辞。 〔日本語においては、主語は必ずしも表現される必要がなく、文に現れないことも多い〕
“大辞林 第三版”
と、出てきました。
つまり、主語とは、一言でいえばその文の『主人公』になる部分のことです。
あなたが話し手だったら、「自分がいま何について話しているのか」を伝えるために主語が必要になるし、あなたが聞き手だったら、「相手がいま何について話しているのか」を理解するために主語が必要になります。
これが、主語が果たす役割です。
この役割自体は、日本語でも英語でも、ドイツ語でも中国語でも変わることはありません。どんな言語でも、主語があることによって、文の主役を明確にすることができます。
2.日本語と英語での主語の違い
日本語と英語とでは、主語の役割こそ同じですが、それ以外の部分で大きく違うところがあります。
それはなにかと言うと、日本語ではよく主語が省略されるのに対して、英語は後述する例外を除いて文のなかに必ず主語があります。
別の言い方に言い換えるとすれば、日本語では主語がなくても意味が通じるケースが多いのに対して、英語では主語がないと文の意味が正確に伝わりません。
繰り返しになりますが、英語は、主語がとっても大事な言語です。
英語で話をするうえで、主語のない文章って、ミソを入れ忘れたミソ汁ぐらい成り立ってません。
これは言葉ではちょっと伝わらないかもしれないので、次の文を例に挙げて想像してみましょう。
I go to work by bus.
(私は)バスで仕事に行っている。
この場合、バスで仕事に行くのは「I」ですね。
なので、この文章の主人公(主語)は「I」です。
・・・一見すると、とても当たり前の話に感じますよね?
じゃあ今度は、この文を含んだ一連の会話を、日本語と英語でそれぞれ見てみましょう。
≪日本語の場合≫
≪英語の場合≫
英語の太字にした「I」や「You」などの部分は、日本語ではすべて省略されています。
このように、日本語では主語が誰なのかが明らかな場合は省略されることが多いです。
それに対して、英語では後述する例外を除いて、主語がどんなに明らかであっても省略されることはありません。
これが日本語と英語での、「主語」に関する違いです。
この違いのせいで、日本語の感覚で英語の文を作ろうとして、とても簡単な文なのに主語が迷子になってしまい、結果としてうまく英語がしゃべれない人をよく見かけます。
例えば、
昨日野球の試合を見に行った。
という内容をアメリカ人の友人に伝えたいとします。
そして、あなたの頭のなかに出てくるのは「yesterday」や「baseball game」という単語。
そしてこの2つを使って、一生懸命文を作ろうとします。
・・・でも、考えてみてください。
「野球の試合を見に行った」のは、あなた自身、つまり「 I 」なのです。
だからこの文の主語は、yesteday でも baseball game でもなく、 I なんです!
I went to watch a baseball game yesterday.
昨日(僕は)野球の試合を見に行った。
このように、日本語では”僕は”の部分が省略されています。ですので、同じ感覚で英語の文を作ろうとすると、先頭に来る主語がそもそも決まらず、結果としてうまく文が作れなくなってしましまいます。
特に英語初心者の方が陥りやすいミスなので、あなたも心当たりがある場合は気をつけてみましょう。
単純なことですが、主語をしっかり意識するだけで、あなたの英語は1段階レベルアップします。絶対に。
3.英語の主語に関する4つの基本事項
日本語と英語での主語の違いが分かったら、
ここからは、英語の主語に関してもっと詳しく知ってもらうために、4つのことを書いていきます。とはいっても、どれも小難しい話じゃないですので安心してください。
3-1.主語になることが多い名詞たち
以下の7つの名詞は、主語になることがとても多いです。どれも基本的なものですが、念のため一覧表を作成しましたので、不安な方はしっかりと復習しておきましょう。
一応簡単に補足をしておくと、
- I ⇒ あなた自身のこと
- We ⇒ あなたを含む複数人のこと
- You ⇒ 目の前の会話相手のこと(一人でも複数でも、You)
- He ⇒ 特定の男性のこと
- She ⇒ 特定の女性のこと
- It ⇒ 特定の”モノ”のこと
- They ⇒ 複数の人や”モノ”のこと
を、それぞれ指します。
3-2.主語は「I」や「You」など”1つの単語”とは限らない!
主語は「I」や「You」など、1つの単語で成り立つとは限りません。実際にはいろんな単語が組み合わさって、主語がながーくなることだってあります。
例えば、次のような場合はどうでしょう。
John and Laura have been married for nearly 50years.
ジョンとラウラは、結婚してもうすぐ50年になる。
この場合、主役はJohnだけではなく、Lauraだけでもなく、2人とも主役です。50年間結婚しているという動作は、1人ではできないからですね。
なので、この文章の主語は「John and Laura」ということになります。
言い換えれば、『”John”と”and”と”Laura”』を、合わせて1つのカタマリとして捉える必要があるわけです。
3-3.ヒトだけでなく、モノ・動物なども主語になれる
主語はなにも、ヒトだけとは限りません。
My.Fuji is the highest mountain in Japan.
富士山は日本で一番高い山だ。
Lions hunt in groups.
ライオンは群れで狩りをする。
というように、モノ・動物なども、当然主語になることができます。
3-4.1つの文章に、主語は必ず1つ
1つの文章につき、主語は必ず1つです(複数の単語がつながってできている主語の場合は、それを1つのカタマリとみなす)。これは、どんなに長い文であっても変わりません。
これまでの文を振り返ってみると、
I go to work by bus.
(私は)バスで仕事に行っている。
John and Laura have been married for nearly 50years.
ジョンとラウラは、結婚してもうすぐ50年になる。
My.Fuji is the highest mountain in Japan.
富士山は日本で一番高い山だ。
Lions hunt in groups.
ライオンは群れで狩りをする。
というように、どの文も必ず、主語は1つだけですね。ドラマの主演の役者さんが5話からいきなり変わらないのと同じで、文の途中で主語が変わったり、主語が2回出てきたりはしません。
4.主語に関する例外
最後に補足として、英語の主語に関する例外です。ここまで、全ての文章には主語が存在すると説明してきましたが、実はそうではない例外パターンもあります。
英語には「命令文」という文の形があり、実はこの場合のみ、文中に主語は存在しません。具体的には、以下のような形となります。
Go to bed.
もう寝なさい。
Shut the door.
ドア閉めて。
Get out.
出ていって。
どれも主語がなく、文章がいきなり「go(行く)」や「shut(閉める)」などの動詞から始まっていますね。これが「命令文」の特徴です。
※厳密に言えば、「命令文」は主語がないわけではなく、Youという主語が”省略”されているだけです。なにかを誰かに命令したり頼む場合、その相手は決まって、別の離れた場所にいるHeやSheではなく、目の前のYouだからですね。そして、この省略されているYouをあえて言う場合、とても強い命令のニュアンスを表します。
- You go to bed!
- You shut the door!
- You get out!
※Youに力を入れて発音する。
とても強い表現なので、日常会話で使われることはほとんどありません。あなたがよっぽど頭に来たときや、英語で子育てでもしない限り使う機会はないので、極力使用しない方が無難でしょう。
また、「命令文」と聞くと、なんだかとても強そうなイメージですが、実際には命令だけでなく、相手に依頼や指示を与える際にも使います。
- Take the salt over there.
- Be there at 7:00.
- Please understand.
- そこの塩取って。
- 7時にあの場所にいてね。
- ご理解ください。
これは余談ですけど、僕はドライブをするとき、iPhoneをカーナビ代わりに使っています。車にカーナビ付いていないので・・・。
そして、一応勉強も兼ねてiPhoneを英語モードで使用しているのですが、そうすると、運転中以下のようにナビされます。
- Turn left.
- Continue straight.
- In 300M,turn right.
- 左折してください。
- 直進してください。
- 300メートル先を右折してください。
iPhoneが命令してくる・・・というのはおかしな話なので、このことからも、「命令文」はなにも命令するというよりも、依頼や指示を与える際に使われているということが分かります。
5.主語とはなにか、まとめ
最後に、このページに書かれていることを簡潔にまとめました。
- 主語とは、その文の主人公のこと
- 主語が明らかな場合、日本語では主語を省略することがあるが、英語では基本的に主語は省略しない
- 人だけではなく、モノ・動物なども主語になれる
- 1つの文章には、必ず主語が1つだけ存在する
- 例外として、「命令文」には主語がない(Youが省略されている)
以上のルールがあります。
繰り返しになりますが、日本語と英語では、主語の役割はいっしょでも登場回数はぜんぜん違います。英語は主語がないと文が成り立たないので、どんなときでも「この文の主語はなに?」って考えるクセをつけましょう。
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